OSC 2016 Nagoyaに出展します
2016年5月28日(土)に開催されるオープンソースカンファレンス2016 Nagoyaの浜松職業能力開発短期大学校ブースにて、避難所支援システム「避難所てだすけくん」の展示を行います。
展示物について
これは今年3月まで浜松職業能力開発短期大学校電子情報技術科の総合制作(卒業研究)にてチームで製作していたものです。
総合制作では、大規模災害時の避難所における人的管理・資材管理の効率化を目標とし、避難者数計数や避難者名簿作成を迅速に行うことができる組込みシステムのプロトタイプを開発しました。さらに通信プロトコルとアプリケーションを開発し、ディジタル簡易無線を用いて収集した情報を数km離れた地点まで伝送することに成功しました。製作した市役所等の災害対策本部向けアプリケーションには、受信した各避難所の情報を地図上で可視化する機能が搭載されており、複数の避難所の状況をひと目で把握することができます。
使用したオープンソース製品
システムの製作にあたっては、多くのオープンソース製品のお世話になりました。ハードウェアでは、避難者名簿作成支援アプリケーションと無線機制御機能を提供するサーバーにRaspberry Pi 2を、避難者情報入力端末にArduino*1をそれぞれ使用しました。使用したオープンソースソフトウェアは非常に多いため、以下に代表的なものを示します。
- DietPi(軽量Linuxディストリビューション)
- hostapd(Wi-Fiアクセスポイント化)
- Firebird(RDBMS)
- nginx(Webサーバー)
- Ruby(プログラミング言語)
- Ruby on Rails(Webアプリケーションフレームワーク)
- XBee Ruby(ZigBee無線通信ライブラリ)
- Ruby/SerialPort(シリアル通信ライブラリ)
- ServerEngine(サーバーフレームワーク)
- Serverspec(サーバー向けテストフレームワーク)
- Itamae(サーバー構成管理ツール)
- OpenStreetMap(地図データ)
以上の中で、DietPi、Firebird、Rubyの通信ライブラリの使用は珍しいのではないかと思います。
オープンソース化
製作したソフトウェアの一部について、https://github.com/hinanjo-tedasukekun においてソースコードを公開しています。ただし、ドキュメントの整備はほとんどできていません。4月からの新生活が落ち着いてきたので、そろそろ進めていきます。
Hamamatsu.rbでの発表
2016年3月9日のHamamatsu.rb #62にて「避難所支援システムを支えるRuby技術」というタイトルで発表を行いました。その際のスライドを以下に掲載します。
発表後は無線通信を中心に多くのご意見・アドバイスをいただき、大変参考になりました。研究を引き継いだ後輩と共に、より良いシステムとなるよう改良を行っていきたいと思います。
まとめ
以上、2016年5月28日(土)のOSC 2016 Nagoyaで展示いたします「避難所てだすけくん」の内容を簡単に紹介しました。興味のある方はぜひお越しください。